
ほぼ透明な二股状構造の薄いシート



商品スペック
| サイズ | 折り畳み時=57mm x 580mm/展開時=57mm x 1107mm |
|---|---|
| 重さ | 約30g |
| 厚さ | 50.2mm |
| 材質 | 樹脂 |
| カラー | 艶消しクリア |
| 販売価格 | 4,620円(税込) |
透明に近い樹脂製の細長いシートが2枚、1つの「関節」で繋がった二股状のアイテム。薄くて軽いので持ち上げるとペロンと垂れ下がります。この「薄さ」「関節」「二股」がポイント。小さく『POCKET-NAVI』と入れられている程度のシンプルなデザインですが、機能を突き詰めた結果の形態です。
「ポケットライン」と「イメージボール」が“見えて”くる






ビリヤードの楽しさはやっぱり的球を入れること。たくさん入れられたら気分は最高ですが、簡単な球ばかりではありません。ポケット―的球―手球が一直線になっている配置は、「真っ直ぐに当てたら入りそうだ」とすぐわかりますが、角度(ビリヤードの世界では「フリ」「厚み」と言います)が付いている的球はどうやったら入るでしょうか?
正解は「ポケットと的球を結んだラインの延長線上、的球の真後ろに手球を当てれば良い」。つまり、どんな角度の球でもポケット側から見た時の「的球の真後ろ」が狙う場所になります。具体的には、的球の真後ろに“架空のボール”をイメージして、そこに手球を運ぶというのがよく知られた狙い方。この“架空のボール”のことを「イメージボール」と言い、経験者はほぼ無意識にイメージしています。
この『ポケットナビ』は、イメージボールが“見えて”くるアイテム。関節部分がフレキシブルに可動する「回転シート構造」になっていて、そこに描かれている「円」が「イメージボール」、すなわち手球を運ぶ目標地点です。シート幅は57mmでボールの直径と同じなので、ボールの軌道をイメージしやすいのもポイントです。
「的球が進む方向とイメージボールを視覚的に把握しやすいです」


今回も商品テスターを務めてくれたのは林武志プロ。これまでは強豪アマとして本企画にご登場いただきましたが、前回(第8回)の取材後にJPBAプロ(58期生)になりました。林プロは、プレイヤー・インスタクター双方の視点でポケットナビのメリット・デメリットを語ってくれました。
Good Point
「どんな角度の球でも、ボールを置くだけで『的球が進む方向』『理論的に正しい厚み』『イメージボール』を視覚的に把握しやすくなるので、特に初心者や歴が浅い人にオススメです。僕は初級者向けのレッスンでポケットナビを使ってみたのですが、『なるほど。そこを狙うんですね』という反応が多くて、口頭だけで説明するよりもイメージしやすいんだなと感じました。また、ボールをセットする手間があまりかからないので、一人で反復練習がしやすいのもいいですね。例えば、中~上級者でも『への字』など『厚みをイメージしにくい球』を苦手にしている人がいると思いますが、その練習にもいいと思います」
Bad Point
「シートが軽くて薄いため、ちょっと手が触れるだけでクシャッとなるので、手球―的球間の距離が短い球を撞く時(シート上やシートの近くでブリッジを組む時)は少し気になります。あとは、シートのサイズを大きく超えるロングショットの場合は、シートの延長線上にボールを置くことで一応使えますが、さすがに少し正確性が下がります。最後に、中~上級者は『スロウ』(※)を知っていて、長年の経験でスロウを見越して構える(やや薄めから狙う)ことに慣れているので、ポケットナビが示す狙いは厚く感じられると思います。ですが、理論的に正しい厚みを再確認できる機会にはなると思います」
※スロウ:的球と手球の接触時に摩擦が生じて、的球が手球の動きに引っ張られる形で理論上のコースより厚めの方向に進む現象。特に的球と手球の接触時間が長い時(弱く撞いた時)やボール表面が汚れている時はより厚く進みやすい(スロウが大きく出やすい)

もう「なんとなく」では狙わない

的球の狙い方の基本である「イメージボール」。この言葉はレッスンサイトや入門書で頻出しますが、文字通り「想像上の球」なため、いまいちピンと来ないという人もいるはず。そのイメージボールをシート上で可視化した『ポケットナビ』は、的球を置くだけですぐに「ここを狙って!」と教えてくれる優秀なガイドです。
