黒くて薄い謎の物体X

商品スペック

サイズ 縦152mm・横58mm・厚さ4mm
重さ 33g
材質 確認中…
販売価格 2,860円(税込)
備考 練習用マッ付属

 

何の説明も無しにこの細長いX型の物体を渡されたら、たとえビリヤードプレイヤーでもどう使うものなのか考えてしまうでしょう。本体中央には“EZ JUMPER”(イージージャンパー)の文字。察しのいい人なら「ジャンプショットで使うもの?」と気付くかもしれません。

ほんとにイージー。その秘密は……

イージージャンパーをセット
構えに入る
テイクバック
インパクト
手で組んだジャンプ用ブリッジの例

通常より短いジャンプ専用キューを使い、キュー尻を持ち上げるようにして構え、手球を斜め上から叩きつけるようにして飛ばす「ジャンプショット」。慣れないうちはなかなか手球を高く正確に飛ばせません。それは高く安定したブリッジが作れず、スムーズにストロークが出来ないから。

イージージャンパーはいわば「ジャンプ専用疑似ブリッジ」。これをしっかり握ってテーブル上に立てて固定し、股(支点)にキューを乗せ、そのまま素速くキューを振ってみると……トーン! と真っ直ぐに手球が跳ねてくれます。

一旦ブリッジのことは置いといて、先にフォーム・キュー角度・ストロークなどジャンプショットのメカニズムを理解し、「飛ばす感覚」を養うのにもってこい。ブリッジを組む手がつらくならないので、何度でも繰り返し練習できます。

実際、イージージャンパーを使うと飛ばしやすさはアップします。それは人間の手で組んだブリッジより支点が高いので、キュー角度を付けやすく、テイクバックもより長く取れるため。ジャンプショット初心者やレベルアップを望む人にぴったりなアシスタントです。※現在日本の公式ルールではサイズが規格外なため試合では使えません。

 

「これで飛ばす感覚を覚えるのはあり」

今回も商品テスターを務めてくれたのは大学生プレイヤーの林武志さん(全国レベルの強豪アマ ⇒ JPBA 第58期生)。林さん自身はジャンプショットに苦手意識は持っていませんが、「不得意な人におすすめしやすいアイテムですね。ちなみに、今は僕の父が気に入ってよく使ってます(笑)」とのこと。

Good Point

「軽くて薄いので持ち運びが楽で、かなり硬いので折れたり曲がったりする心配もありません。実際に使ってみてもしっかり握れるし、ジャンプの構えに入ってキューを乗せても安定感があります。ジャンプのフォームが固まってない人や、身体が硬いとか肩が上がりにくいという人も、まずこれで飛ばす感覚とジャンプストロークのイメージを磨くのはありだと思います。イージージャンパーと手球の間の距離を変えることでキュー角度が変わってくるので、飛距離や高さを変えて練習できますし、ダーツジャンプもできます。公式大会では使えないそうですが、もし使えたら皆のジャンプのアベレージが一気に上がると思います。そのぐらい飛ばしやすい」

Bad Point

「股(キュー支点)が2つあって高さが違っていますが、高さは手球とイージージャンパーの間隔で調整出来るので、別に2つなくてもいいような気がしました。その代わり、立てた時にもっと安定するように片側をより厚くしたり幅を広げたりして、土台っぽい形に変えてもいいんじゃないかなと。あと、材質がかなり硬いせいか、木製シャフトだと股のところで削れそうな不安があります。本当に削れてしまっているかどうかはわからないですが……」

まとめ

ジャンプショット新時代のアシスタントに

この20~30年で急速に進化したビリヤードの技術と道具の代表格がジャンプショットとジャンプキュー。今は「誰でも飛ばせる時代」と言われています。とはいえ、通常のショットとは違うフォームとストロークが必要なので苦労する人も多いです。イージージャンパーを使って先に「ストロークと感覚」を掴めば、ジャンプ技術が急速に開花するかもしれません。

※ジャンプショットはラシャにダメージを与えるショットです。ビリヤード場で練習する際にはお店の人の許可をもらうこと、手球の下に練習用マットを敷くこと、同じ手球位置から飛ばし続けないこと。この3点を守ってください。

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