インパクト大のボール、模様の数はなんと112!

   

一度見たら忘れられないビジュアルです。公式試合球と同じサイズ・重さ・材質のボールの表面に入れられた模様の数はなんと112。柄は丸、三角、四角、星で、色は黒・赤・緑・紫。ボールのトップメーカー、『アラミス』製のボールをベースにして作られたこの『カットショット』(英名は「CutShots Aim Trainer」)は、「トレーニングボール」のジャンルに属する商品です。同梱の説明書とメーカー公式動画はともに英語ですが、見ていればなんとなく使い方がわかります(※New Artの商品ページの下の方に日本語解説あり)。

 

商品スペック

直径 約57mm
重さ 約165g
セット内容 白×1個、黄×3個
販売価格 15,543円(税込)
備考 2個セット版もあり(白×1個、黄×1個)

 

的球を入れる「厚み」を「2つのスポット」で探す

ビリヤードのゲーム中、真っ直ぐの球を撞くことは非常に少なく、「角度の付いた球」が約95%と言われています。ビリヤード用語で「角度」のことを「厚み」とも言いますが、『カットショット』はその「的球が入る厚み」、つまり「的球をポケットに向かわせるために、手球を的球のどこに当てるか」という感覚を養うツールです。黄色のボールを的球として、白のボールを手球として使います。画像の配置で解説すると……

  

 

Step 1:「的球のスポットを見付ける」

ポケットと的球(黄球)を結ぶ直線上に立ち、的球の中心にある模様を覚えます(ここでは「赤丸」)。これが的球のスポットです。※ちょうど良い位置に模様がない場合は「模様と模様の間」を覚えます。

 

Step 2:「手球のスポットを見付ける」

手球の真後ろに立ち、手球越しに的球を見ると、立ち位置が変わったためにさきほどの「赤丸」は的球の中心から右側にずれて見えます。この時の的球の「右端」から「赤丸」までの距離を目測し、それをそのまま手球の「左端」から当てはめた所にある模様。それが手球のスポットです(ここでは「黒三角」)。

  

Step 3:「スポット同士を結ぶラインを意識し、平行移動して撞く」

2つのスポット、つまり的球の「赤丸」に手球の「黒三角」(の裏側)をぶつけると、的球はポケットに入ります。スポット同士を結ぶラインをイメージするためにキューを使うと思いますが、そのまま「黒三角」を撞くと、手球の左側を撞くことになるため、キューミスをしたり手球が真っ直ぐ転がらない恐れがあります。ですので、キューをブリッジごと平行に移動させて(右にずらして)手球の中心を撞きます。撞く時はどの模様も意識する必要はありません。

 

この『カットショット』を使った狙い方は、ポピュラーな『イメージボール』での狙い方と根底の考え方は同じで、より的球と手球の「コンタクトポイント」にフォーカスしたもの。もちろん試合ではこのボールは使えませんが、これで繰り返し練習して感覚が磨かれると、模様のない普通のボールを使っても、コンタクトポイント=的球の入る厚みがイメージできるようになります。

 

「慣れたら時間をかけずに狙い点をイメージできます」

今回も商品テスターを務めてくれたのは大学生プレイヤーの林武志さん(全国レベルの強豪アマ)。幼い頃から「たくさん数を撞くことで入る厚みを感覚で覚えてきた」とのこと。そんな林さんが『カットショット』を使ってみると……?

Good Point

「初めは使い方がわからなかったですけど、説明書を眺めながら手を動かしているうちに『そういうことか』と理解できて、『この方法は良く出来てるな』と思いました。慣れたら時間をかけずに狙い点がイメージできます。特にビギナーの方が角度の付いた的球のシュートを練習する時に、初期の段階でこれを使うのもいいと思います。経験者でも、苦手な厚みや撞き慣れてない配置を練習する時に、まず『カットショット』で狙い点を正しく意識するという使い方があると思います。あとは、これを使って新しい遊び方を開発しても面白いかもしれません。『撞点=赤模様限定のボウラード』とか。やってみたらすごく難しかったですけど(笑)」

Bad Point

「まず、価格が結構高いなと。そして、一つ一つの模様が小さいので、遠い球の練習では見えづらいのは難点だと思います。また、細かいことですが、『カットショット』は『スロウ』(※注1)は考慮していなくて、『撞点中心・標準的なスピード』で撞くことが前提になっていると思うので、上級者が『意図的にわずかに薄めに狙う球』、例えば、ゆっくり転がす球とか的球と手球が近接している形とか的球がクッションに接している配置などは、『カットショット』で狙うと厚く外れる可能性があると思います」

※注1:スロウ=ボール同士が接触した時に発生する摩擦により、的球が手球の進行方向に引っ張られる現象のこと。的球が理論上のコースより厚めに向かう。シュートミスの原因の一つ。

まとめ

チームやサークル、ビリヤード場にあると便利!?

模様の視認性などを考慮すると、『カットショット』はテーブル片面に収まる程度のミドルレンジの配置を練習する時に使うのが良さそうです。説明書にある通り、ビギナーやスランプに陥った人が厚みの感覚を養う(取り戻す)のに適していますし、チームやサークル、インストラクター、ビリヤード場で持っておくと重宝するかもしれません。

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